旅三昧&ときどき読書

私は小泉牧夫。英語表現研究家という肩書で『世にもおもしろい英語』(IBCパブリッシング刊)という本を書き、同時に某出版社で編集の仕事もしています。そんな私ですが、2016年5月から「セミリタイア生活」に入りました。執筆をしながら世界各地を旅して廻ることにしたのです。 お金はありませんが、時間だけはたっぷりある贅沢な旅と読書の生活――それは今まで私がやりたくてもできなかったです。自分にとっての(きっとみなさんにとっても)憧れの日々をこれからいろいろ綴っていきたいと思います。

Nice place to get lost!

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ハミルトンには周囲4キロの「ハミルトン湖」があり、「ワイカト」という川も流れている。午前中に湖の周囲を散歩し、午後にワイトカ川のクルージングを楽しもうとホテルを出た。

広大な芝生のスロープを湖畔に向かって歩いていたら、ものすごい勢いで滑って背中から転んでしまった。ズボンとジャンパーの後ろにべっとりと土がついた。昨日は激しい雨だったから、芝生の下の土はかなり水気が多かったのだが、あまりにもきれいに整っていたので、それに全く気付かなかったのだ。右の足首もひねってしまったようだ。とにかくアスファルトの小道に出て、湖のほとりのカフェで朝食のサンドイッチとコーヒーを注文する。For here, or to go?(日本語にすれば「こちらでお召し上がりですか、お持ち帰りですか?」)と聞かれたので、ズボンのお尻のところを指さして、「滑ってズボンが汚れてしまったので、座りたいが座らない。外で立って食べる」と応えた。

食べ終えると、ちょっと足首が気になったので、ベンチにハンカチを敷いて座り靴下を脱いで見てみると、右のくるぶしが少し腫れている。押すとちょっと痛い。足首を回してみると、方向によっては痛みが強くなる。でも普通に歩く分には、問題ないように思えた。だが心配になって、大阪のカード会社に国際電話をして、今NZにいて捻挫してしまったこと、ゴールドカードを持っているので、いつも海外旅行保険には入らないで来ているという話をする。すると、医者にかかって帰国後その領収書を送ってもらえればカバーできるとのことだった。

私は湖の散歩を諦め、ゆっくり歩いてホテルに戻った。フロントでズボンを指さして、洗濯したいのだがと言うと、ランドリールームまで案内してくれた。そこには洗剤が入った箱もあり、それをホテルのスタッフもゲストもみんなで使っているとのことだった。もちろん洗濯機も乾燥機も無料だ。この前のオークランドのホテルとはえらい違いだ。

ホテルの部屋で足首を水で冷やしてみたが、どうやら通常の捻挫のようで、あまり問題なさそうだった。ズボンを履きかえて、今度はワイカト川のクルージングに向かう。ところが、どこが船の発着所なのかがわからない。途中に機の場所を聞くと、どうやら町から歩いて40分ほどの「ハミルトンガーデン」という川沿いの公園に受付と桟橋があるらしい。急いで歩いたが、そこに着いた時には、もう最後の船が出てしまった後だった。

残念だが、この広大な公園を散歩することにした。しかし中は迷路のようになっていて、おまけに地図もない。同じところをグルグル歩き回っているような感覚に陥った。青木ヶ原の樹海のようだというのはちょっと大げさか?! 犬の散歩をしている男性に聞いたら、親切に出口を教えてくれた。私がお礼を言ってから”Hamilton is the very nice place."と加えると、”Nice place to get lost.(迷子になるにも良いところだよ)と素敵なジョークを返してくれた。

 

感動と憤慨

昨晩、ランドリールームで衣類を洗濯している間に部屋でブログを書いたのだが、私にとっては(私だけにとっては?かも)、これまでの人生では考えられなかった驚きと感動の出来事があった。

洗濯機と乾燥機を使うために、フロントでトークンという特別なコインと洗剤を買おうとすると、フロントデスクは「洗剤はランドリールームにある」と言う。少なくもその時、私の頭は彼の英語をそう理解した。1枚3ドルのトークンを2枚買ってランドリールームに行ったが、どこにも洗剤の販売機らしきものは見当たらない。フロントに戻り「洗剤の販売機はなかった」と言うと、「いや、トークンを入れて洗濯機を回せば、洗剤は自動で出てくるんだ」と言う。驚いてしまった。「洗剤が洗濯機から自動的に出てくる」--そういう発想は、これまでの私の人生にはなかったからだ。感動してしまった。他の人にとっては些細なことかもしれないが、こんなふうに新鮮な驚きや感動を得ることができるのも、私にとっては「旅の醍醐味」なのである。

ランドリールームに戻り、洗濯機の蓋の裏側に書いてある説明を読んだが、「①最初に洗濯物と洗剤を入れる、②蓋をしてトークンを入れて・・・」と書いてあるだけで、「洗剤が自動的に出ます」どこにもは書いてない。もし日本のコインランドリーだったら、使う人が絶対に間違わないように、あちこちに張り紙がしてあるだろう。

今朝ホテルをチェックアウトして、中央バスターミナルへ向かう。大きなスーツケースを引っ張って歩くは大変だと思い、一昨日バスで使える「AT HOP」というスイカみたいなカードをあちこち探して苦労して手に入れたのだった(販売窓口はオークランドで2か所だけ。スイカでは考えられないことだ)。ホテルの近くのバス停留所で待つが10分たっても20分立っても、私が乗るグリーンのバスが来ない。10分に1本程度は動いているとの情報だったし、事実昨日はあんなに何本も走っていたのに。海外ではそんなことはしょっちゅうだ。そんなこともあろうと、歩いても大丈夫なように早めにホテルを出たのだった。私は歩くことに決めた。「このために苦労して窓口を見つけ、depositも含めて15ドルもするカードを買ったんじゃないか、金返せ!」と心の中で憤慨していた。

どこかで朝食を買って、バスの中で食べようと思ったが、コンビニには、日本なら当然あるパンやおにぎりや弁当などは売っていない。途中のカフェでコーヒーとソーセージロールなるものを買ったのだが、コーヒーが出てくるまで5分、それからソーセージロールを電子レンジにかけたものだからさらに5分。バスの時間が迫っているものだがら、じりじりしながら待つ。「日本なら1~2分で終わるじゃないか!」とまた憤慨。

出発5分前、ギリギリでターミナルに着く。結局、途中でグリーンのバスが私を追い越すことはなかった。急で歩いたので、コーヒーがかなりこぼれてしまた。スーツケースをバスのボディの下部にある荷物入れに入れて、トイレを済ませ、乗り込もうとすると、運転手が「コーヒーカップは車内に持ち込んではいけない」と言う。このコーヒーとパンのために焦りながら10分も待ったんじゃないか、とまたまた憤慨。私はガブガブと半分を飲み込んで、ごみ箱に捨てた。バスに乗り込んでから気づいた。水を買っていなかった。運転手が乗り込んでエンジンをかけてしまった。「水を買ってきてもいいか」と聞いたが、当然のように「No」と言う。この1時間半、水なしで我慢しなければならない。去年病気をしたので、このまま脱水状態になって倒れてしまわないか心配になった。海外では、こんなちょっとした”ミス”が命取りになることもあるのだが・・・ともあれ、無事にハミルトンに着いた。

部屋を閉め出されて

朝遅く10時半に起きた。部屋を出る時に寝ぼけていて、カードキーを部屋に残したまま出て、締め出されてしまった。このホテルでは、エレベータの行き先階のボタンを押す前に、カードキーを差し込まなければならない。私の部屋は10階なので、1階のロビーまで階段を歩いて降りなければいけないのかと思ったが、とにかくエレベータに乗ってL(Loby)のボタンを押すと、ちゃんとロビーまでは降りてくれた。

フロント係にI’m locked out. (「カギを部屋に置いたまま締め出されてしまった」とでも訳したらいいのだろうか?)と言うと、慣れた感じで「部屋番号を教えてください」と言う。部屋番号を言うと、新しいカードキーにデータをインプットして、私に渡してくれた。「一度部屋に戻って、もう1枚のキーをもってきた方がいいか」と聞くと。「その必要はない」と言う。2枚持っていてもいいと言うのだ。

私はこれまでずいぶん海外旅行をしてきたが、このようにカギを部屋に置いたまま出てしまったことが、少なくとも10回以上ある。1度などは、出張中で打ち合わせの時間が迫っていたので、そのままホテルを出て、夜戻ってきた時に新しいカギをもらったこともある。毎度のことで慣れているのでいいが、初めての海外旅行で、こんな目にあったら、パニックになってしまうかもしれない。もう何十年も前だが、”農協さん”の団体旅行がはやり始めたころ、裸で部屋の外に締め出されてしまったとか、日本の旅館気分でパジャマ姿、ひどいケースでは猿股ひとつで廊下を歩いたなどという話もあった。マナーを守らない中国人のことが、最近よく話題になるが、30年前までは日本人も同じようなものだった。

部屋にキーを置いたまま出てしまった時には、さっきのような英語を使わなくても、フロント係に「キー・イズ・イン・マイ・ルーム」と言えばわかってもらえる。

オークランド博物館にバスで向かう。一番近いという停留所で降りたが、場所がよくわからず、取り合えず目の前にあったカフェで「朝食兼昼食」を食べる。雨が激しくなってきたので、そこで40分ほど、隣に座っていた中年女性話をする。「5月に東京に行ったばかりで、その時は本当に暑かった」と言っていた。確かに・・・。

この博物館にはあまり期待していなかったが、「地球の歩き方」には「全部見ようと思ったら1日では終わらない」と書いてあった。1階に南太平洋の島々の地図があり、私はそこで30分も時間を取られてしまった。南太平洋の地図をこんなにじっくり見たのは初めてだった。ニューカレドニアはNZにかなり近いが、同じフランス語を話すタヒチがこんなに遠く離れているとは思わなかった。グアムやサイパンはかなり北西の方にある。トンガとかサモアとかバヌアツとかフィジーとかの位置関係を確認しながら、このような孤島に住む人々の暮らしや歴史を考えると感慨深いものがあった。それぞれの島の装飾品や武器などの展示もあり、カヌーによる交易も行われていたのだろうが、独自の文化があることが分かった。2階、3階の展示もとても興味深かった。やはり、この博物館は全部じっくり見て回ったら、1日では足りないだろう。

明日は、バスでHamiltonという小さな町に行く。

 

 

 

 

スカイタワーで朝食を

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オークランド3日目、午前11時にスカイ・タワー(328m)へ。私は高所恐怖症なのだが、海外に来ると、どういう訳か、その都市で一番高いタワーにのぼってしまう癖がある。これまでも台北の「タイペイ101」、クアラルンプールの「パトロナスタワー」、シカゴの「シアーズタワー」、トロンの「CNタワー」、もちろんニューヨークの「エンパイア―ステイトビル」なども”制覇”してきた。やはり、その街の全体像を見たい、知りたいという気持ちに駆られるのだろう。

高速エレベーターで51階の展望デッキに行くと、修学旅行らしき日本の高校生の一団でごったがえしていた。一部にガラスの床があり、そこに立つと下の景色がそのまま透けて見えて、本当に怖かった。修学旅行の女子生徒がそこに立ち叫んだ。「いやー、下から見えちゃう」。地上からスカートの中が見える訳ないだろう!

朝食がまだだったので、ひとつ下の50階のカフェーで、ツナサンドを頬張りながらアメリカンコーヒーを飲む。絶景が広がっていた。湾の青い海の向こうには半島や島々が、反対側には緑の丘に白い家々がへばりついている。サンドイッチもアメリカンもすごくおいしい。天気も良く、あまりにも気分がよかったものだから、そのカフェで2時間も過ごしてしまった。その時の爽快感は、39年間にわたって仕事をやり切ったという満足感から来ているのかもしれない。

1階に降りると出口には、タワーにのぼる前に撮ってもらった、というか無理やり撮られた写真が飾られていた。クロマキーになっていて、自分の後ろにいろいろな景色が映っているやつだ。私はこの類の写真は、絶対に拒否することにしている。35ドルだと言う。ここで買ってしまったら、今後どの旅でも買ってしまうことになりそうなので、「No!」と断ったが、あまりにも(私の姿はともかく)背景が良かったので、記念になると思い返し、買ってしまった。これから長期間の貧乏旅行をする身なら、こんなことで出費していたら、いくらお金があっても足りないぞと、反省!

 

NZとの時差は3時間

6月25日(土)、成田6時30分発、翌日の朝8時にオークランドに着いた。最初、日本とNZの間には時差がないと思っていた。でも、そうすると飛行時間が14時間ということになる。なんでNYと同じくらい長いんだ?と不思議に思い、「地球の歩き方」で確認すると、時差が3時間あり、日本より3時間早いということが分かった。でも9月~4月まではサマータイムとなるため、時差は4時間となると言う。

9時、空港でエアーポートシャトルに乗って、ホテルに10時着。タクシーより安いので、海外では私はこのミニバスをよく利用する。オークランドでは、荷物込みで1人35ドル、2人43ドル、3人なら51ドルと、同行者が多くなると1人あたりの料金は安くなった。他の乗客との乗り合いで、ホテル名を言えば入り口まで連れていってくれるから便利だ。タクシーでは乗り合いはできないし、料金は高い。通常のバスだと、停留所で降りてからホテルまで歩かなければいけないし、初めて来た街ではだいたいホテルの場所もわからず、どのバスに乗ったらいいのかさえ分からない。

実は、このエアーポートシャトルのようなシステムは日本にはない。法律で、料金を取って、乗り合いでホテルまで乗せて行くことは禁止されているからだ。まあ鉄道もバスの便も充実しているから特に問題はないのかもしれないが、もしこのようなミニバス乗り合いシステムができれば、多くの業者が参入し、経済効果も期待され、おまけに日本を訪れる外国人観光客も大いに助かることだろう。観光客と大きな荷物を空港からそのままホテルの入り口まで運んでくれるのだ。便利でないわけはない。

10時ホテル着。チェックインは午後3時だったので、スーツケースを預かってもらい、街を散策する。飛行機であまり寝られなかったので、頭がフラフラしてしまった。偶然トイレを探して入ったところが、とても広いフードコートで、テーブル席がたくさんあり、そこで私はテーブルに顔をうっぷして眠りに落ちた。いいところを見つけた。他のカフェなどだったら、そんなこと、とても許されることではない。フードコートなので、周りの人に気兼ねなく、私はゆっくり眠ることができたのだった。

 

39年の“勤続疲労”を取りに

明後日から2週間、ニュージーランドを旅する。オークランド往復8万6000円(しかもサーチャジ込み)というニュージーランド航空の新聞広告に魅かれて、何か月か前に予約してしまった。自分でホテルだけ予約し、(レンタカーで走ると景色が楽しめないので)バスか鉄道で移動する予定。本当なら若い頃のように予定を決めずに歩き回りたいところだが、原稿も書くので、無料WiHiのあるホテルにした。あまり欲張らずに、北島のオークランド・ハミルトン・ロトルアを巡ることにする。ただ、どのホテルも「変更可能」となっているので、気が向いたら予約を変更して、北島の南端まで行ってみようかと思っている。

日本は夏だが、NZは真冬。今日本で言えば、12月の気候ということになる。ニューイヤーではないので、それほどの観光シーズンではないと思う。だから、バスや鉄道の予約もせずに、半分気ままな旅をしたいと思っている。ロトルアの温泉も楽しみ。これまでの39年間の“勤続疲労”を取りたいと思っているが、さて……?