旅三昧&ときどき読書

私は小泉牧夫。英語表現研究家という肩書で『世にもおもしろい英語』(IBCパブリッシング刊)という本を書き、同時に某出版社で編集の仕事もしています。そんな私ですが、2016年5月から「セミリタイア生活」に入りました。執筆をしながら世界各地を旅して廻ることにしたのです。 お金はありませんが、時間だけはたっぷりある贅沢な旅と読書の生活――それは今まで私がやりたくてもできなかったです。自分にとっての(きっとみなさんにとっても)憧れの日々をこれからいろいろ綴っていきたいと思います。

「セッション」は最高の映画!

昨日、午後4時半に成田に着いた。

朝までぐっすり眠ることができた。午後駅ビルにある映画館に「セッション」という映画を見に行く。私の住む街には郊外型のシネコンが4軒もあり、以前街でただ1軒だったこのステーションシアターはひどく廃れてしまった。正直、私はもうつぶれてしまったのではないかと思っていたくらいだ。ところがキネ旬がこの映画館の営業を始めたらしく、新作と昔の名画の二本立てで上映するようになったために、定年退職した映画好きの「団塊の世代」の人たちでかなり賑わうようになった。

私は5月に、1年間の期限付きでこの映画館の映画を無料で鑑賞できるカードを2万円で購入し、土日にはここで映画を見ることにしている。いま「無料で」とか書いたが、スクリーンが3つあり、スクリーン1だけは新作をやっていて、そこは正規料金。だが、スクリーン2と3は、このカードがあれば、何本でも無料で観ることができるのである。おまけにキネ旬らしく、昔の名画をリクエストすると、それに応えてくれるようなシステムになっている。いたれり尽くせりではないか!?

ニュージーランドに行く前にも、フランス映画の「仕立屋の恋」と台湾映画の「KANO」(これは2回目)を観た。そして、今日は「セッション」。昨年の映画だ。

以前、新作で上映している頃、観に行きたかったのだが、週末が土日の2日だけだったので忙しく見逃してしまった。でも、今のように木~日まで4日の週末があれば、このような名画をたくさん観ることができる。

しかし、この映画は凄かった。私がこれまで見た中で間違いなく5本の指に入る。いや、最高かもしれない。仕事でもそうだろうが、音楽のような芸術を極めるためには、こんな過酷な試練を受けなければならないのか? NZに行く前に「羊と鋼の森」という小説を読んで、いたく感動してしまったのだが、その内容と通じるものがある。

私のように少しだけ働いて旅三昧をして、日本に帰ってからものんべんだらりと映画を観て本を読んで、ジムでトレーニングをし湖の畔をウォーキングしながら、原稿も書くといった生活が許されていいのだろうか? 文章を書くということを極めるためには、もっともっと激しく自分を追い込まなければならないのかもしれない・・・などと考えてしまったが、反対に「これまで自分をとことん追い込んで仕事して来たじゃないか、もういいんじゃないか?」と言うもうひとりの内なる自分もいるのである。

この「セッション」は、J.K.シモンズがアカデミーの助演男優賞を獲得しているが、それほど大ヒットしたわけではない。これほどの映画が、である。なぜだろうか? 時代の雰囲気として、努力とか根性とが軽んじられて、格好悪いと思う人が多くなっているからかもしれない。だからこそかえって、今ほど努力と根性によって人生を輝かせることができる時代はないのかもしれない。