旅三昧&ときどき読書+映画

私は小泉牧夫。英語表現研究家という肩書で『世にもおもしろい英語』『アダムのリンゴ 歴史から生まれた世にもおもしろい英語』(IBCパブリッシング刊)という本を書いています。2018年4月に 出版社を退職し、41年にわたる編集者生活を終えました。いま世界中を旅しながら、本や雑誌記事の執筆とともに、旅先ではこのブログを書いています。お金はありませんが、時間だけはたっぷりある贅沢な旅と執筆と読書と映画の日々を綴っていきたいと思います。

旅三昧&ときどき読書+映画

私は小泉牧夫。英語表現研究家という肩書で『世にもおもしろい英語』『アダムのリンゴ 歴史から生まれた世にもおもしろい英語」(IBCパブリッシング刊)という本を書いています。2018年4月に出版社を退職し、41年にわたる編集者生活を終えます。それからは世界中を旅しながら、本や雑誌記事の執筆をする予定。お金はありませんが、時間だけはたっぷりある贅沢な旅と執筆と読書と映画の日々を綴っていきたいと思います。

ワシントンDCへの機内で

1年半ぶりにブログを再開する。その間に何があったのかは、おいおい書いてくつもりだ。ただひとつだけどうしても触れておかなければならないことがある。それは『アダムのリンゴ 歴史から生まれた世にもおもしろい英語」(IBCパブリッシング)という本を書いたことだ。お陰様で「団塊の世代」層からは好評をいただいている。知り合いの弁護士からは「最近読んだ本の中で、こんなに知的興味を刺激されたものはない」という有難いメールも頂戴した。

私は出版社で編集の仕事をしているが、これまでは週3日の勤務で「セミ・リタイア」のはずだったのだ。だが、やはり仕事があるとなかなかそういう訳にはいなかった。しかし4月で65歳になり、ついに4月末には本当の定年退職をすることになった。そしていま最後の有給休暇を2か月とって、ワシントンDCにやってきた。ここで1週間を過ごし、娘のいるフロリダの小さな町に行き、ディズニーワールドのあるオーランド、マイアミに近いフォートローダデールから、大西洋横断のクルーズ船に乗ってバルセロナまで行く予定。

アメリカン・エアーの飛行機でダラスに着き入国審査を受け、ワシントンCD行きに乗り代え。18時間の旅だ。アメリカン航空には久しぶりに乗ったが、食事もおいしくて、とてもリラックスできた(エコノミーではある・・・)。

ちょっとしたことだが、私にとってはおもしろいことがあった。成田から乗った飛行には、日本が少し?喋れるバイリンガルのフライトアテンダントがいた。彼女に飲み物を頼む時「Coffe with cream and sugar.」と言ったら、とても喜んでくれた。通常フライトアテンダントは、「コーヒー」と言われると、その後に「砂糖は? ミルクは?」と聞き返すことが多い。私はいつも最初にwith cream and sugarと一緒に言うようにしている。乗務員の手間を省くためでもある。あれだけの乗客の注文を聞く訳だから・・・。彼女は自分の飲みたいものを一言で言って、はっきりと意思表示をしてくれたことが、とても嬉しかったようだ。きっとそんなところが日本人流の「おもてなし」なのかもしれない。飛行機の乗客にも 乗務員に対する「おもしてなしの心」は必要なのだ。日本人なら。

私はそのフライトアテンダントに、In Japanese, the order of the words is deffereent. と言い「日本語では『砂糖』を先に言いますが、英語では『クリーム・アンド・シュガー』と『ミルク』が先に来るので、いつも一瞬考えてから言うんです」と付け加えた。彼女はOh, is that so?と言って、また喜んでくれた。

cream and sugarは英語の定型表現だ。逆の順で言うと、この人はふざけているのか、あるいは教養がないのか、と思われるだろう。若い頃、友人のアメリカ人から「お前は編集者で言葉を扱う仕事をしているのだから、絶対にブロークン・イングリッシュを使うな。それから、言葉と言葉の間に絶対にyou knowを挟むな」と言われたことがある。

bread and butterもこの逆は言わない(昔、そんな名前の兄弟のフォークデュオがあったなあ・・・)。このフレーズは「重要な、根本的な」という形容詞としても使われ、bread and butter issueと言うと「死活問題」という意味になる。

英語もいろいろ間違いをおかしながら身に付けるものだ。ちょうど赤ん坊が日本語を

覚えるように。若い頃、英語を喋っていてby error and trialと言ったことがあった。「試行錯誤して」と言いたかったのだ。相手のアメリカ人女性は「順番が逆よ、trial and error。まず挑戦してから失敗するの」と正してくれた。

旅をしていると、そんな遥か昔の記憶の断片が蘇ってくる。

午後4時にワシントン・ダレス空港からタクシーに乗りホテルへ。そのままシャワーを浴びてベッドに横になったのだが、足がつってしまってなかなか眠れない。歳のせいだろう。ミネラルウォーターの水を大量に飲んで、どうにか4~5時間眠ることができた。いま午前3時。

明日から1週間かけてスミソニアンの博物館と美術館を1日に1か所ずつ見て回る予定。