旅三昧&ときどき読書+映画

私は小泉牧夫。英語表現研究家という肩書で『世にもおもしろい英語』『アダムのリンゴ 歴史から生まれた世にもおもしろい英語』(IBCパブリッシング刊)という本を書いています。2018年4月に 出版社を退職し、41年にわたる編集者生活を終えました。いま世界中を旅しながら、本や雑誌記事の執筆とともに、旅先ではこのブログを書いています。お金はありませんが、時間だけはたっぷりある贅沢な旅と執筆と読書と映画の日々を綴っていきたいと思います。

旅三昧&ときどき読書+映画

私は小泉牧夫。英語表現研究家という肩書で『世にもおもしろい英語』『アダムのリンゴ 歴史から生まれた世にもおもしろい英語」(IBCパブリッシング刊)という本を書いています。2018年4月に出版社を退職し、41年にわたる編集者生活を終えます。それからは世界中を旅しながら、本や雑誌記事の執筆をする予定。お金はありませんが、時間だけはたっぷりある贅沢な旅と執筆と読書と映画の日々を綴っていきたいと思います。

船旅で壊れたスーツケース、損害賠償交渉の行方は?

大西洋横断クルーズで、スーツケースを船内の部屋に運んでもらう時に車輪が壊れてしまったことは何度も書いたが、その後どうなったかについて記す。

サムソンに電話すると、書類をメールの添付ファイルで送るので、必要事項を記入してスーツケースの中に入れて送ってほしいという。「明日、宅配便を取りに行かせる」と。私が「英文の見積もりが必要なんですが」と言うと、その旨のメモもスーツケースの中に入れておいてほしいと言う。

何日かしてサムソンからメールが来た。添付ファイルに見積もりがあったのだが、日本語だった。さっそく電話して「英語の見積もりを頼んだのですが」と言うと、「英語の見積もりはない」と言う。「サムソンのような世界的企業が英語の見積もりを持っていないはずはないでしょう」と言うと、「ちょっと確認してご連絡します」と応える。夕方になってメールの添付ファイルで英語の見積もりが届く。なんだ、やっぱりあったじゃないか!

船で一生懸命に書いた英語の書類(責任者の確認サイン入り)とこの英文の見積もりを添付ファイルにしてLAの船会社にメール。どのくらい時間がかかるかと思っていると、5日後に船会社から返事が来た。ベスト・ワン・クルーズの田渕さんから言わせると「考えられないような対応の早さ」。

メールには「この度の船旅で生じた損傷で、お時間を使わせしまったことをお詫び申し上げます」と書いてある。アメリカ人でも謝ることがあるんだ!と驚く。「損害額はお支払いします。それには2つのオプションがあります。オプション1は銀行振り込み。オプション2は次の船旅をされる場合、損害額を合わせて100ドルディスカウントする方法です。オプション1を選ばれる場合は、添付のドキュメントに必要事項を入力してご返送ください。また一緒に、あなたが確かにこの口座の持ち主であることを証明する書類を添付してください。例えば使用済みの小切手のコピー、あるいはあなたの口座であることを証明する銀行のステートメントです」。

もちろんオプション1を選んだが、これは弱った。だいたいは日本では、私のような一般人はほとんど小切手を使わない。すると私の口座を証明する銀行のステートメントということになる。もし彼らが日本語が読めれば通帳の表紙をコピーして送れば問題ないが、それはどだい期待する方が無理。銀行で確認してみると「残高証明書」が唯一英語で発行できる証明書だと言う。だが、発行手数料が750円かかると言う。「英語のレシートはもらえますか?」と尋ねると「英語のレシートはない」とのこと。アメリカなら何の問題にもならないことが、同じことを日本でやろうとすると大変なことになってしまう。

そんなこんなで、やっと船会社にメールを送ることができたのは一昨日のこと。残高証明書の残高は黒いマジックで消し、発行手数料のレシートの日本語部分を英語に訳して手書き。メール文には、日本では普通の人はめったに小切手を使わないこと、英語の残高証明書は発行手数料がかかったので、その手数料750円もこのダメージのために発行してもらわざるをえなかったものであるから、その分も加えて損害額を支払ってほしい旨を記す。

まだ返事は来ない。さて、日本語の「残高証明書」発行手数料を彼らは、どのように判断するのだろうか?

そんなことをしていた私を見て妻が言った。そんなことを全部英語でできるなら、旅行会社で働いたら?