旅三昧&ときどき読書+映画

私は小泉牧夫。英語表現研究家という肩書で『世にもおもしろい英語』『アダムのリンゴ 歴史から生まれた世にもおもしろい英語』(IBCパブリッシング刊)という本を書いています。2018年4月に 出版社を退職し、41年にわたる編集者生活を終えました。いま世界中を旅しながら、本や雑誌記事の執筆とともに、旅先ではこのブログを書いています。お金はありませんが、時間だけはたっぷりある贅沢な旅と執筆と読書と映画の日々を綴っていきたいと思います。

旅三昧&ときどき読書+映画

私は小泉牧夫。英語表現研究家という肩書で『世にもおもしろい英語』『アダムのリンゴ 歴史から生まれた世にもおもしろい英語」(IBCパブリッシング刊)という本を書いています。2018年4月に出版社を退職し、41年にわたる編集者生活を終えます。それからは世界中を旅しながら、本や雑誌記事の執筆をする予定。お金はありませんが、時間だけはたっぷりある贅沢な旅と執筆と読書と映画の日々を綴っていきたいと思います。

日本語ができなくて日本で働けるのかい?

朝9時に松戸のハローワークへ。書類を提出すると、会議室にで待つように言われる。これから再就職のための研修をするのだろうか、求人募集の検索機の使い方とかを教えてくれるのだろうか?などと思っていたら、予想は大きく外れた。担当の人が入って来て、先日提出した書類を返してくれた。それには給付額と振り込み日が印刷されている。「失業給付が1週間以内に払い込まれるので、もし入金がなかったらご連絡をお願いします」と言う。「以上です。お疲れさまでした」と挨拶して終わり。

あれ? いろいろな人の話を聞くと、1か月に何回かハローワークに行って求人をチェックしなければいけないはずだが・・・。再度受付で聞くと「給付の支払いも終わりましたので、もうこれで来なくても大丈夫です」と言う。前回の初めての面接では「月に何度か来て求人を見てください」と言われたのだが、60歳で辞めた人と65歳まで働いた人で違ってくるのだろうか? 何日かしたら、もう一度電話して確認してみよう。

孫にベネッセの学習セット「しまじろう」を送る。これが意外と大変。梱包し、宛名を書いて、さらに添付書類に中身と金額を記入しサイン。一緒に、この前の大西洋横断の旅で親しくなったダラスにも私の本を送る。これにも書類に中身と金額を記入。

彼は「今度、日本を訪ねて、7か月くらい滞在したいので、どこか就職先を紹介してくれないか?」とメールを送ってきた。「東京を案内する」とは言ったが、就職を世話するとは言ってない。だいたい日本語が全く喋れないのに、日本でどうやって働くんだ。

以前、娘が住んでいるフロリダの町で、日本語のうまいアメリカ人と知り合いになった。テイクアウトの寿司屋でバイトをしている大学生だった。私が「Wakame miso soup, please!」と言ったら「日本人ですか?」と日本語で聞いてきたのだった。「ワカメの発音が日本語ぽかったのでわかりました」と言う。鹿児島でホームステイしたことがあると言い、「次は日本の文科省のAETプログラムに応募して日本中学や高校で英語を教えたい。だからいま一生懸命に日本語のトレーニングしています」と言った。ダラス君、それが普通だろう。

私は彼に「以前、ダニエル・カールというタレントがいたが、彼は山形のdialectを使って人気者になった」という話をした。「山形弁でYesとかOK!のことを『うんだ、うんだ』と言うんだけれど、アメリカ人の彼がそれを言うとすごく受けたんだよ」と。

そのアメリカ人学生はこの「言葉」がいたく気に入ったようで、私も暇だったし、彼も非番になったこともあって、30分ほど「うんだ、うんだ」という山形弁のレッスンをした。最後に私が「でも、日本の他の地域では通じないよ」と言うと、彼は「うんだ、うんだ」と応えた。完全にマスターしてしまったようだ。

NYの観光ヘリのパイロットにも日本語がすごくうまい人がいた。ハドソン川沿いのリバティヘリコプターの待合室で乗る順番を待っていると、「日本の方ですか?」と完璧な日本語で聞く人がいた。それがリーという名の白人のパイロットだった。「日本に行ってお笑い芸人になりたくて、明石家さんまの家の前で1週間粘ったんですがダメでした」と言う。「日本で『変な外人』としてデビューしたかったんですが」と(『変な外人』という言葉は最近聞かないな)。私は言った。「でも、これだけ自然な日本語が喋れれば大したもんだ。お笑いタレントにはなれなくても」