旅三昧&ときどき読書+映画

私は小泉牧夫。英語表現研究家という肩書で『世にもおもしろい英語』『アダムのリンゴ 歴史から生まれた世にもおもしろい英語』(IBCパブリッシング刊)という本を書いています。2018年4月に 出版社を退職し、41年にわたる編集者生活を終えました。いま世界中を旅しながら、本や雑誌記事の執筆とともに、旅先ではこのブログを書いています。お金はありませんが、時間だけはたっぷりある贅沢な旅と執筆と読書と映画の日々を綴っていきたいと思います。

旅三昧&ときどき読書+映画

私は小泉牧夫。英語表現研究家という肩書で『世にもおもしろい英語』『アダムのリンゴ 歴史から生まれた世にもおもしろい英語」(IBCパブリッシング刊)という本を書いています。2018年4月に出版社を退職し、41年にわたる編集者生活を終えます。それからは世界中を旅しながら、本や雑誌記事の執筆をする予定。お金はありませんが、時間だけはたっぷりある贅沢な旅と執筆と読書と映画の日々を綴っていきたいと思います。

カルガリー経由トロントへ空の旅

814日(水)、成田からAir Canadaの飛行機に乗りカナダへ。妻が英語の勉強のために1か月前から滞在しているトロントに行き合流。3泊してから、一緒にレンタカーでプリンス・エドワード島まで1週間ドライブをする予定。

台風10号は進む速度が時速15キロとゆっくりだったため、どうにか欠航はまぬがれた。明日には西日本に上陸するとのこと。

午後425分出発だったが、万が一のことを考え、1030分に家を出る。1110分に柏から成田駅直通の電車に乗る。成田駅で空港行の電車に乗り換え、1230分に第1ターミナル駅に着く。前日にオンライン・チェックインは終わっていたので、自動発券機で搭乗券をプリント。スーツケースを預けようと思い航空会社のスタッフに聞くと、「出発の3時間前から荷物が預けられる」と言う。まだ1時間ある。カナダ・ドルに両替したり、椅子に座って『地球の歩き方』でトロント・ピアソン空港から街の中心までの行き方をチェックしたりして時間をつぶす。空港からユニオン駅まで急行列車が15分ごとに出ていて、25分で行けると言う。バスだと、もっと時間もかかり、街の中心から離れた地下鉄の駅まできり行かないようだ。

20分並んで、カウンターでチェックイン。「トロントの前にカルガリーに立ち寄ります。そこで飛行機を降りて、入国審査を受けてください。スーツケースはそのままトロントまで行きますから、搭乗券は捨てずに最後までそのままお持ちください」との説明を受ける。

既に1か月前からトロントに滞在していて、現地の英会話学校に通っている妻も同じAC010便だったので、その話を聞いていた。

機内は横に窓側2席、中央に3席、窓側に2席でかなりゆったりしていたが、エコノミー・クラスのトイレは一番後ろに4つあるだけで、ちょっと心配になる。

ガリガリーで飛行機を降り入国審査、パスポートをスキャンして写真を撮る。写真入りの入国書類が印刷される。プリントにはカナダへの入国を認めるeTAの番号も自動的に入っていた。もし日本国で登録を忘れると、ここで入国ができなくなり、そのまま日本に帰らなくてはならなくなる。でも、万が一忘れたとしても、何らかの救済措置があるのかもしれない。だが、日本の空港で自動発券機で搭乗券をプリントする段階で、eTA番号を持っていないと、リジェクトされるのかもしれない。

一応、カナダの国内線への乗り継ぎということになる。簡単なカウンターで入国審査を受ける。次にまた手荷物検査。バックバックにはポカリスエットが入れてあった。4年前に脳出血で入院しているので、水がなくて脱水症状になると血圧が上がり大変なことになる。だから飛行機に乗る際にはペットボトル2本を買っておくようにしている。ここまで水は1本飲んだだけで、まだポカリがまるまる1本残っていたが、全部棄てるはめになった。

国内線のゲートに行く。スクリーンにはAC010と表示があった。成田から来たのと、同じ便名、同じ機体の飛行機。座席も同じだ。国際線のターミナルに着いた飛行機は、地上を移動して、国内線のターミナルまで来たのだろう。

国内線になった飛行機に乗り込み、同じ席に座る。後ろの席の人は成田から来た日本人のカップルで同じだったが、それ以外の人はほとんど入れ替わっていた。食事が出ると思ったのだが、フライトアテンダントがメニューを見せながら注文を聞いている。通路を挟んで隣の席の人がお金を払っている。どうやら有料のようだ。周りを見回すと、食事をしている人は2人だけだった。私の隣の夫婦は、空港で買ったと思われるパンをかじっていた。

トロント到着は午後625分。カルガリーで時刻を合わせた時計を見ると、まだ230分。お腹がすいてきた。まだ4時間も乗るのか、きっとお腹がペコペコになってしまうだろうと心配になる。だが、ふとトロント時間はガルガリーとは違うのではないかと思席前のスクリーンのマップで確認すると、案の定トロント時間は330分となっていた。それから3時間。トロントのピアソン空港に着く。空腹に耐えられず、バゲージクレームに行く途中で寿司弁当を食べる。14ドル。バゲージクレームに行くと、まだ預け荷物が回転台に出て来始めたばかりだった。3分ほどで私のスーツケースが出て来た。

2階に「ピアソン・ユニオン・エキスプレス」という電車の駅があった。12カナダ・ドル。1000円ほどだ。券売機で切符を買おうとしたが、何度20ドルの新札を入れても戻ってきてしまう。仕方なしに、クレジットカードで払うことにしたのだが、切符が出て来ない。横長のスロットがあり、ふつうならそこからジージーという音を立ててチケットが出てくるはずだ。3回やってもダメだった。近くに係員がいないか探そうした時、券売機のかなり下の方に横長のボックスがあることに気づいた。ひょっとしたらと思い手を入れると、何とそこにチケットがあるではないか! 何と3枚も。わかりにくいこと、この上ない。

払い戻しをしてもらおうと、係員を探す。かなり先のホームの中央にカウンターがあり、駅の係員らしき女性が座っている。日本人のような顔をしている。さすがトロントは国際都市だ。日本語をしゃべろうかと思ったが、英語で「ユニオン駅まで片道で1回乗るだけなんですが、間違えて3枚買ってしまいました。2枚分払い戻してもらえますか?」と聞くと、「払い戻しはできません。もう空港には戻ってきませんか? いつでも使えるキッフ2枚と取り換えることはできます」と言う。「明後日、また妻と戻ってきます」と答え間違って買ってしまった切符を渡すと、「ユニオン⇔ピアソン」と印字されたチケットを2枚プリントしてくれた。電車に乗り込むと、ホームのカウンターにいたその女性が検札にやってきたので、切符を渡しながら「Thank you!」とお礼を言うと、ニッコリほほ笑んでくれた。

電車はすぐにユニオン駅に着いた。次に地下鉄に乗り、St. Patrickという駅の近くのホテルに行く。そのホテルはトロント大学や他の英会話学校などに通う学生のレジデンスとしても使われているようで、妻も1か月前から滞在している。

駅構内をさまようが、なかなか地下鉄の駅にたどり着かない。東京駅で降りて、地下鉄の丸の内駅に行くような訳にはいかなかった。地下2階まで降り、いったん外に出て、また地下に潜り、やっと地下鉄にたどり着いた。

切符を買おうと思ったが、券売機にはまず「シニア料金」がない。買えるのは「1回乗車」と「2回乗車」、そして「1日乗車券」の3種類だけだった。『地球の歩き方』には「5枚綴り回数券がある」とあったのだが・・・。1日券を買っても、今日はもう地下鉄に乗ることはないので、「2回乗車券」を購入する。

3つ目の駅がSt. Patrickだった。Dundasという大きな通りに出た。東京でもそうだが、地下鉄の駅から地上に上がると方向がわからなくなるものだが、見上げると「CNタワー」が見えた。その方向が南だ。するとDundas通りを東に少し歩き、Chestnuts通りを右に入るとホテルがあるはずだ。今回は妻のiPhoneにこちらで使えるシムカードが入っているので、私はなるたけロミングしてカナダの電波事業者を使わないようにしようとしていたので、行き方を手帳にメモしていた。

そのためホテルの近くまで来たのに、どこにあるのかわからなくなってしまった。仕方なしに目の前にあった「ヒルトン・ホテル」に入りフロントで聞くと、「とても遠いんですよ」と言いながら、親切にも一緒に外に出てきてくれて通りの反対側を指さす。「そこです」

通りを渡り、私の泊まるホテルへ。フロントで順番を待ちながら妻にLINEで電話するが、私の番が来てしまったので、電話を切る。手続きをしていると、妻がやって来て「遅かったから心配していた」と言う。

部屋に行って荷物を置いて、夕飯を食べに外に出る。近くにとてつもなく大きな「イートイン」があると言う。ところが着いたのが「イートン・センター」という大きな建物。「イートイン」なのか「イートン」なのか? 妻が「イートン・センター」に「イートイン」あると説明してくれたので、やっと飲み込めた。

もう9時が過ぎ、ほとんどの閉店の準備をしていた。「Subway」で肉や野菜を挟んだパンを買って食べる。妻はもう夕飯は済ませたと言う。

ガリガリーからの飛行機では食事が出ずに、有料で食べたい人だけがお金を払って食べた」と言うと、「そんなはずはない」と言う。「私は国際線からの乗り継ぎだということで、メニューを渡されて食事を選びタダで食べられた」と言う。「そのことをLINEで知らせた」というが、まったく記憶にない。機内で食べていたら、空港に着いてから、14ドル払って大急ぎで寿司を食べる必要などなかった。また無駄遣いしてしまった。私の後ろに座っていた成田から来た日本人も食事はしていなかったように思う。フライトアテンダントには、そこまでの細かな情報が伝わっていなかったのだろうか?

「あなたはいつも人の話を聞いていない」という妻の説教を聞きながら、すぐにホテルに戻り翌朝までぐっすり眠る。